手巻きと自動巻きの仕組み

ぜんまいで動く機械式時計

機械式時計は、ぜんまいを動力にして動く、古くからあるタイプの時計です。古い寺院の柱時計や振り子時計、昔の懐中時計などは、全て機械式ムーブメントで作られています。機械式時計は、メンテナンスをしっかりすればかなり長持ちするので、現在でも高級時計は機械式ムーブメントで作られていることが多いです。その仕組みを簡単に言うと、主軸となるぜんまいに、もうひとつのぜんまいを絡めることによって動力源となり、運針の動きを操作しています。このぜんまいの動きが止まってしまうと、時計も止まってしまいます。そのため、ぜんまいを定期的に巻き上げていく必要があります。その方法が「手巻き(マニュアル型)」と「自動巻き(オート型)」です。

手巻きと自動巻き、何が違うの?

手巻きはその名の通り、自分の手でぜんまいを巻き上げることによって時計が動きます。時計の側面にリューズ(竜頭)と呼ばれる突起があり、それを巻くことによってぜんまいが巻き上げられます。自動巻きよりシンプルな機構なので、その分本体が薄く作れるのが特徴です。また、本体価格やメンテナンスの価格も安く済みます。

対して自動巻きは、時計を身に着けて動かしているだけで、ぜんまいが巻き上がるようになっています。現在市場にある機械式時計の7割超が、この自動巻きタイプです。自動で巻き上げてくれるので手間がかからないことが最大のメリットです。また、身に着けている間は常にぜんまいを巻き上げているので、指針のずれも少なく済みます。その分本体がちょっと厚くなり、手巻きタイプより複雑なので本体価格とメンテナンス価格も上がります。どちらの時計もメリット・デメリットがあるので、自分に合ったタイプの方を選ぶことをおすすめします。